●CABALET
ドライジン 40cc
ドライベルモット 3cc
アンゴスチュラビター 2dash
べネディクティン 15cc
ステアして、カクテルグラスに注ぐ。
マラスキーノチェリーを添える。
「あなたならどうする?」−ミュージカル『キャバレー』の最後の歌でレーニャは観客と自分に問いかける。ともすれば挫けそうな人生の矛盾の波涛を、芯のあるユーモアと自尊心とひたむきに求めつづける強さで泳ぎ渡る姿に、演じている役と生き延びていく自分が重なり合う。孤独が大嫌いなくせに自立した女。破天荒的に男を欲しながらも深層で男を愛せなかった女。“黄金の20年代”を謳歌したワイマール期のドイツ文化からパリ・ベルエポック、ブロードウェイ・ミュージカルへと苛烈に生き、感情的・現実的な軋轢や齟齬に苛まれながらも個性と意欲とマージナル性を捨てなかったその精神力に感嘆せずにはいられない。芸術も仕事も、時代の中で自らの性と生を抱えつつ生きていこうとする人たちによって創られていく。レ−ニャはあらゆる苦しみに耐えいじらしいほど自分に正直な女性であった。“森にわけいって/足のむくまま/何を求めるというでもなく/わが心のおもむくまま・・・”(ゲーテ)
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