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vol.28 「
シャルトリューズ
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Face of L.J.
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バックバーに並んでいるボトルの中に、「地球の上に乗っている十字架」のシンボルマークをつけた、天然由来の明るく淡い緑色の酒がある。シャルトリューズだ。

 シャルトリューズは、フランス・グルノーブルのシャルトリューズ修道院で生まれたリキュールで、原料となる約130種類の薬草類のレシピは、現在でも3人の修道士しか知らず、その秘法の全貌まで知るのは、蒸留を任された修道士ただ一人だ。

 長い歴史の中で何度もレシピは狙われ、1903年の仏政府による蒸留所の国有化の際に、オリジナルレシピを持った修道士たちがマルセイユとスペインのタラゴナへ新たな製造の場を求めた。

 この時期にその2カ所で作られたシャルトリューズは「タラゴナ・シャルトリューズ」と呼ばれ、現在では生産どころか蒸留所さえも存在しないが、わずかだがまだこの世には残っており、超希少品である。

 シャルトリューズは有名人にもそのファンが多く、クエンティン・タランティーノやジョン・ボンジョビ、元仏大統領シャルル・ド・ゴールにも愛された。(タランティーノは映画「デス・プルーフ」の中でシャルトリューズを使っている)

 ソーダ・トニック割り、ジュースやスピリッツと合わせてカクテルにと幅広く楽しめるが、おすすめは、水をチェイサーに、ストレートを時間をかけてゆっくりと飲む。寒い冬、暖かい部屋の中で、その一杯にしばし時間を忘れてはいかが?

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