BARで、最もよく飲まれているカクテルのひとつにジン・トニックがある。言うまでもなく、ジンとトニックウォーターを使ったカクテルだが、実はマラリア対策として活躍し広まった飲み物であった
トニックウォーターに含まれるキニーネ(アカネ科のキナの樹皮に含まれるアルカロイド)には、マラリア原虫への特異的な毒性と解熱作用、強壮効果があり、熱帯地域の植民地政策に赴いたイギリス人達の保健飲料として飲用されていたが、そこはイギリス人である。それをジンと混ぜて飲んだところ大変好評で、第二次大戦後、世界的に広まることとなった。
ちなみにこのキニーネは、現在の日本では薬物、劇薬として指定されており、普通に販売されているトニックウォーターには含まれていない。
我々が日々楽しんでいるカクテルの誕生の背景には、人類の良からぬ歴史があることを覚えておこう。
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