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vol.16 「乾杯」
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音曲祝祭行

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 間もなく立冬を迎え、人と酒が恋しくなってくるこの季節、あちらこちらで「乾杯」という声を耳にすることが増えてくる。
 そもそも「乾杯」は、古代ギリシャ・ローマ時代に、神または死者のために、神酒を飲んだ宗教的儀式が起こりで、それが転じて人々の健康や成功を祝う儀礼となった。

 日本で「乾杯」というと、宴の飲み始めの儀式というイメージがあるが、国によってその乾杯事情も様々だ。
 中国では「干杯」(カンペイ)といい、白酒や紹興酒(最近ではワイン、ビールも多い)の杯を文字通り“飲み干す”。そして宴の間に何度でも「干杯」をする。
 「チアーズ」と声を上げるのはアメリカ、イギリス、カナダなどの英語圏の国で「あなたに応援を」という意味を持つ。
 フランス語圏では、「ア・ヴォートル・サンテ」、スペイン語圏では「サルー」、ドイツでは「プロースト」、ロシアでは「ザ・ワーレ・ズダロヴィエ」で、それぞれ「健康を祝して」という意味を込める。イタリアの「チンチン」はグラスのぶつかり合う音から、タイの「チェイユー」は「万歳!」だ。

 ウオツカやテキーラでぐいっと乾杯、というお国柄ならば良いが、我が国ではジョッキやロング・ドリンクなど乾杯する飲み物も様々で、さすがにそれらの杯を必死で乾かしているのを見るのは些か滑稽である。

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