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vol.3 イギリスのフリンジの作家コリン・ウイルソンは、著書「わが酒の讃歌」でやさしくも、アルコール中毒に言及している。
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「あなたのアルコール中毒はおつづけなさい。たとえ私がそれを矯正したとしても、同時に、あなたの才能まで矯正してしまうかも知れませんから」

 私が主張したいのは、アルコール中毒を病気とする通常の見方が正しくないということ
また、むしろ心理学の理論がそれを悪い方向に強調したいということである。

 アルコール中毒を生むのは一種の絶望であるが、絶望を生むのはアルコール中毒ではない。ヘミングウェイは彼の生涯を通して、潜在的なアルコール中毒であった。なぜなら彼は、人生は根本的に残忍で無意味であると感じていたからだ。彼の作品が想像力の緊張を保っているあいだは、短期間アルコール中毒がストップする。しかし彼の悲観的な哲学が彼を袋小路に追いこんでしまうと、アルコール中毒にすべりこむ。

「わが酒の讃歌」コリン・ウィルソン

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