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ごまめの歯軋り
VOL.65

 日本政府は売り渡し米価を0.44%引き下げると発表した。米の自由化を想定した格差是正策であるが…。秋田で百姓やって10余年の友人は「農協は大会社、企業エゴさ。デモも形ばかり、距離置いて醒めているよ」と云う。7反では食えなくてきのこ栽培を併有しているそうだ。自由化を必定と思いながらも、票田を気にして反対している“農協議員”とは無関係に、「米を守らなければ、日本は滅びる」と、今宮沢賢治とも云うべき井上ひさしは論陣を張る。思想なき、おうかがい外交の伝統を継ぐもう一人の宮沢とは大違いだ。
 “水田の工業治水と労働力は生産コストを低く押え、高い経済成長をもたらした”のにと、やさしさ、いたわりといった心の問題の喪失に迄言及、企業米作の弊害を問く。“農薬漬けの米国米も年間5kg消費”の彼等にゃ問題ないが、彼等にゃ主食。日本が移植大産業は手ぐすね引くが、安い農薬米の買い占め(60%以上)と自作能力の放棄は、諸々の病気と不評反感を買い占めるだろう。かつて、“にがい米”をシルバー・マンガーノ米と呼んでたが、外米でも、あれはグラマーなもち肌で、食い応えあったな、うむ。

(農といえる日本人)

(1991.12記)