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vol.27 「日本の酒合戦」
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Face of L.J.
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◆亭子院の闘酒会(911)延喜年間
 歴史に残る最も古い酒合戦。天皇の御前での呑み合戦だったという。まわし飲み方式によるこの大会では、大盃で8回(量は不明)飲み干した公家、藤原伊衡(フジワラノコレヒラ)が優勝、賞品に馬が献上された。

◆川崎大師河原の酒合戦(1648)慶安年間
 東西両軍(江戸軍17名、川崎軍15名)に分かれての史上最大の酒合戦。大将が采配をふるい相手を飲みつぶれさせるという、まさに合戦だった。
 この模様は「水鳥記」という書物に詳しく書かれており、参加者は、呑勝(ノミカツ)、忠呑(タダノミ)、吐次(ハキツグ)、酒呑童子(シュテンドウジ)、底深(ソコブカ)などの豪の者が酒量を争った。
*水鳥は「水」に「酉」つまり酒のこと。
 そしてこの戦いが現代に再現されているのが「水鳥の祭」で、毎年10月第3日曜日に若宮八幡宮・川崎大師を中心に開催されている。

◆千住の酒合戦(1815)文化12年
 大師河原に対してこちらは個人戦。6種類の盃(厳島杯=5合入、鎌倉杯=7合入、江島杯=1升入、万寿無量杯=1升5合入、緑毛亀杯=2升5合入、丹頂鶴杯=3升入)の中から選び、柳原の芸妓3人に酒を注いでもらう。盃を空けると記録係が記帳し、検分役が見届けたという、公式な大会だったようだ。
 優勝者は緑毛亀杯を杯(7升5合)も飲んだ人で、酒は伊丹からの下り酒「玉緑」「上竹」という極上酒。肴はからすみ、花塩、さざれうめ、蟹、うずらの焼き鳥、鯉の羹(アツモノ)などの珍味。
 この記録は、立会人の太田南畝が水鳥記に対して書いた「後水鳥記」に残っている。

◆熊谷の酒合戦(1927)昭和2年
 昭和2年に埼玉県で行われ、1斗2升を飲んだ61才の男性が優勝、2位は女性で9升5合、3位が72才で7升5合だったとか。記録に残っている日本記録は、1817年の鯉屋利兵衛(30才)の1斗9升5合(なんと約36リットル)!
 戦いも酒で決着をつければ平和だし、終わってみれば笑い話になりそうでいいじゃないか。

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