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ブラック・サンデー BLACK SUNDAY     

VOL.51

 『羊たちの沈黙』といえばあまりに有名だが、原作者T・ハリスの第一作を映画化したのが『ブラック・サンデー』('77米)だ。パレスチナとイスラエルの国家を賭けたテロの戦いを、反アラブ、反パレスチナの政治色濃い作者の視点とは違って、リベラル派J・フランケンハイマー監督らしい政治的中庸の大型誤楽アクション作品に仕上げているが当時、ミュンヘン五輪のイスラエル選手村襲撃('72)等、現実に世界ゲリラ戦を展開していたベイルートの最過激派“黒い九月(ブラック・セプテンバー)”を材に取っている為、両派からテロの脅迫に会い、上映中止の憂き目になったというお騒がせの代物なのだ。
 マイアミのスーパーボールに集まる8万人の観客を一挙に殺戮する計画を立てた“黒い九月(ブラック・セプテンバー)”の女指導者(M・ケラー)とベトナム捕虜となって母国に復讐を誓う元陸軍将校(B・ダーン)の二人はカバコフ少佐(R・ショー)率いるイスラエル特殊部隊とFBIの鉄壁の陣を破り、TV用と宣伝用の飛行船の船長をホテルで殺す。船長とすり替った元将校の飛行船が爆弾を積んで離陸しようとする時、ホテルのフロントに船長宛に一本の“J&B”(スコッチ)のプレゼントが届けられた。
 スリル溢れるこの傑作サスペンス映画に、一本の“J&B”のボトルがもたらした結末は?……。
 飛行船とFBIヘリの空中戦でクライマックスへ。