top top
top top
top











フレンチ・コネクション2
       =FRENCH CONNECTION

VOL.27

 主要5部門でアカデミー賞を受けた前作に続く第2弾「フレンチ・コネクション2」('75米)は監督J・フランケンハイマーの冴えをみせた傑作。
 前作で捕り逃した組織の首領シャルニエを追って、単身マルセイユに乗り込んだNYの刑事ポパイことドイル(J・ハックマン)だが、町は判らない、言葉は通じない、地元警察はいじめる、声をかけても姐チャンは無視するで、イラつき酒場に出向く。――「フォア・ローゼス!」「……?」「バーボン!」「バ……?」「ジャック・ダニエル!」「…ジャッキー?」「……スコッチ!」と指さして「スコッチだ!」「オー、ウイスキ?!」と、誰もが身に憶えのある爆笑を買う場面――実はドイルを泳がしてシャルニエをお引き出すNY市警の仕組んだ囮作戦だったのだ。案の定、拉致されたドイルはヘロイン漬けにされ放り出される。心が通い始めたバルテルミー警部の助けで禁断症状と戦う。――「アメリカの医者を連れてこい!ケチャップののったハンバーガーだ!いや、チョーコレート!ナッツの入った本物の白い粉だ!」とわめき、コニャックのガストン・ラグランジュをあおり紛らわす。「ヤンキース知ってるか。スゲエ奴がいたんだ。スゲエのを打つんだ。ミッキー・マントルだ!」――野球を全く知らないフレンチとの長場面は滑稽を越えて真に迫る。――立ち直ったドイルはマルセイユの街を縫って走る。市電を追い、船を追い駆ける。