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モロトフ・カクテル=MOLOTOV COCKTAIL

VOL.10

 「フランス・シネマ・フェス」が開催され、名匠ルネ・クレマンがそのPRのため来日した。
 「パリは燃えているか」('66仏米)は同監督の世界のオールスターを抱えたヒューマン大作。
 '44年8月、ナチスのパリ占領4年目で、ドゴール派、自由フランス軍、共産軍の混成レジスタンス軍にも反撃の気運は高まっていた。ラステンバーグ独軍本部のヒトラーは、万一の手段としてパリ爆破計画を命令。200の工場、42の橋、発電所、ガス工場、ノートルダム、ルーブル、全市が5分で壊滅と云うすざまじいもの。
 これに対抗したレジスタンス軍の少ない武器を助けたのが、地下のワイン・セラーで造られた大量のモロトフ・カクテル。レシピは硫酸とガソリン、ワインやシャンパンを空けて瓶に詰めてお見舞いする贅沢なカクテル。
 遂にパリの占領司令部は指令を出す機を逸し、二千年の歴史の都パリは麗しの一命を止める。
 独のナチス本部からパリの占領司令部へ、激しく狂声の電話が鳴り響く。
「パリは燃えているか!!パリは燃えているか!!」