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ドン・ペリニョン

VOL.3

 ディオールのポアゾン=Poisonという香水が世の淑女を魅きつけている。数十米離れていてもその芳香で存在をひどく主張する奴だ。

 映画「マッキントッシュの男」はデズモンド・バグレイの冒険小説を映画化したミステリー作品。獄中のスパイ組織を暴くべくP・ニューマン扮するエージェントがわざと獄に捕まるのだが、監督ジョン・ヒューストンの話の運び方は実に旨くサスペンスフル。

 終局、英政界の大物が実は組織の黒幕だとつき止め、マルタ島に追うが、(さすが!J・ヒューストンの洒落振り)そこは大物氏主催の大型ヨット・パーティ。何と云ってもパーティが華やぐのはシャンパンが似合う。旨くヨットに乗り込んだはずの相棒の英情報員ドミニク・サンダはついついシャンパン、それも多分ドン・ペリニョン、しかもロゼに手を出し敵の罠に落ちてしまう。

 あの媚薬めいた色と香りは手練れの情報員さえ騙してしまう。世の淑女がディオールのPoisonで歴戦の紳士をたぶらかせると思ってるように。

 ちなみに、ドン・ペリニョンのモエ・エ・シャンドン社とディオール社は提携グループである。