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ブラック&ホワイト

VOL.1

大人は老いた子供にすぎない。
眠りにつくのを嫌がる。
(ルイス・キャロル)

 映画「狼は天使の匂い」(原題“うさぎは野を駈ける”)は監督ルネ・クレマンの渋々のハード・ボイルド・ミステリーだ。本はあのセバスチアン・ジャプリゾ
 終盤、敵ギャングの弾を受けて、モントリオールのセントローレンス河の島のアジトに避難した老ギャングが自分の宝物を集め抱えて最後のゲ−ムに迎える。奪った現金袋、持ち馬だった故サラブレットの写真、ポラロイド・カメラ、ジプシーに命をねらわれ傷ついたフランス青年がさし出したビー玉--階段を転がり落ちるビー玉のアップ!
 二人は警官隊の重囲の中、ビー玉を賭けて看板の撃ち合いを始める。眠りを惜しむ子供がみる大人の夢の遊戯の続きを楽しむ様に。
 この映画に再三登場し、重要な小道具になっているのがブラック&ホワイト・スコッチ。主人公の宝物の一つとして、最後迄脇にあったのは云うまでもない。