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姑婆と栗のいが
VOL.33
 ライアル・ワトソン博士は云う。「私達のやることの一つ一つが宇宙のどこかで必ず結果を生み出し影響を与える。小さな草の一つに手を触れることによって、星のどこかで波長が乱れることもあるのだ。(略)」と。

 “名も知らぬ遠き島より流れ寄る椰子の実一つ”は椰子が行為した地球の繋がりだが、特別記念物アホウドリの生息する南海の島島やミッドウェーでは、流れ寄るプラスチックを餌と間違えてのみ込む被害が続出し、日米鳥学会の調査ではそれが殆ど日本製だそうだ。環境庁は「廃棄物は日本だけではない」と回答。では日本の数多の釣キチが棄てるナイロンてぐすは、水鳥の体を縛り殺し、海草を巻きちぎりプランクトンの発生を止める。ビニール袋はウミガメの好物クラゲと化る。今度ヘルシンキでフロンに関する国際会議が開かれるが、環境庁長官は、「今世紀までに全廃する。」と表明。“日本だけ今更汚ねえゾ、俺達も文化生活したい!と途上国から声聞けば、“大丈夫、代替品開発技術を教えてやる”のだそうだ。現在、プラスチックの空中溶解と化学食品化の二つの開発研究が急がれている。

(シャイロック・ホームズ)

(1989.4.1記)