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君子危うきに近寄らず
VOL.22
 今を去る17年前、フジテレビのアナが解雇処分された。有名外交官婦人の山口淑子に対して、思ったことを云ったからだ。
 この問題は後々まで尾を引いたが、先日の新聞で「教訓、キャスターにはキャスターの表現(口を噤む意?)があるだろう。」と大物キャスター氏が久米君を揶揄していた。
 プライムタイムの人など今焦眉の話題“原発”に関しても私見を一切はさまず、「どうでしょうか」とテレビコード内?で日和ると思えば、例のピンク・チラシでは「公序良俗」を云いながら「表現の自由」を口にする。
 選ばれてありながら自ら口を噤むという正しいエリート達にとって、“校則って何ダ!”は“青春って何ダ!”であったでしょう。

 皆こぞって、ドーム球場の玉子の殻ン中で残響ばっかり聞いてる様なもんだけど──捕らえるべきは、危険な頭脳、危険な顔、危険な声、危険なトランペット、危険な性行為、危険な子供達。

 ジョージ・オーウェルの絶望的な近未来小説『1984』を過去にして、近未来に向って行くこのシジフォスの神話群。

[日光猿軍団]

(1988.5.1記)